命、紅葉の手   サジ
「おぎゃー」の感動を忘れている親が居る 陣痛の痛みは、親に成る試練だろう。傷み有るからこそ、命に値を知るのだと思う。 泣く事しか意思の疎通が出来無い、赤ん坊と向き合う事は、過酷で孤独を呼ぶ事もあるけど 明日の希望を齎してくれる天使に、数年の歳月を託す時間を惜しんで欲しく無い。 グズル数だけ、親の重さを感じられ無くては、親としての今日が無駄になってしまう。 「どうか」 紅葉の手の温み、握り締めてくれる紅葉の手その無垢な手、寝息のクスグッタサ。 無心に呑む眼差しの中の私の顔。 無垢な命は、明日を託して居る。 無知な母を育てる為に、無心に泣くのだから。 めぐり来てくれた命この出逢いを完成させよう。 紅葉の手が握り締める「明日」その未来を耕そう。 光を探す瞳その光は、私達親だ。抱きかかえる重さの幸せをもっと五感で感じようよ。
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