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第18巻「火の山の巨人の戦い」

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あとがき

 第18巻「火の山の巨人の戦い」を読んでいただいてありがとうございます。

 作者の朝倉玲です。

 

 さてさて、今回の物語の舞台は、赤の魔法使いの故郷の南大陸です。しかも火山の中にまで行ってしまいます。

 赤の魔法使いの過去もわかりますし、フルートたちにとって非常に重要な、とある人物も登場してきます。

 フルートたちは本当にどこまで行ってしまうのでしょうね。作者が彼らに引っ張られているような気がします。

 

 でも、火山というのは書くのがなかなか大変な存在でした。

 関東や北海道の広大な平野の真ん中を除けば、日本全国どこでも目にするもので、こんなに私たちに馴染みが深いのに、その奥底の地面の中がどうなっているのか、いまだに正確には解明されていないのです。

 フルートたちは溶岩が噴き出してきた火道をまっすぐ下りて、マグマ溜まりを目ざしましたが、このマグマ溜まりが深層部でどんな形になっているのか、実はまだよくわかっていません。丸い形で溜まっているのではないか、とか、薄いシートみたいな形で地層の間に広がっているかもしれない、とか諸説あります。

 今回の物語では薄いシート状という説をとりましたが、薄いと言っても山の大きさや地面の深さから見ての話で、実際には高さが何十メートルも何百メートルとかあるだろうと想像しました。それが大河のように別の方向へ流れ流れて、他の火の山の火口にもつながっている、という設定になってます。

 ちなみに、そこに虫や苔や怪物が棲んでいるというのは、さすがにオリジナルです。ただ、地面の中のことはわからないので、ひょっとしたら、いつか本当に地中深くに棲息する虫や植物が発見されるかもしれない、とも想像しています。

 

 この物語を書くに当たっては、山、火山、岩石、噴火などに関する本やサイト、動画をかなり調べました。今はもうだいぶ忘れてしまいましたが、一時はにわか火山マニア状態でした。

 その中でも、特に参考になった動画がいくつかあったのですが、久しぶりに調べてみたら、どれももうアカウント切れになっていて、見ることができなくなっていました。有名なフランスの火山学者クラフト夫妻が撮影した映像で、非常に迫力があったのですが。

 クラフト夫妻は1991年長崎県島原半島で雲仙普賢岳の火砕流に巻き込まれて亡くなられました。夫妻の功績に心から敬意と感謝を捧げます。合掌。

2020年4月8日

朝倉玲のサイン
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