第6巻「願い石の戦い」を読んでいただいてありがとうございます。
作者の朝倉玲です。
一作ごとに舞台やテーマを変えている「フルート」ですが、今回のフルートたちは、いわゆる宮中の権力闘争に巻き込まれてしまいます。
この話で新たに登場してくるのは、ロムド皇太子のオリバン。体格は立派だし見た目もかなり麗しい王子なのですが、なにやら屈折した思いを抱えていて、フルートを敵対視してすぐに怒鳴りつけてきます。
フルートたちはそんな皇太子と一緒に旅をする羽目になってしまうのですが、彼らの命を狙うものたちが現れて……と続いていきます。
この物語では金の石の勇者の本当の役目が明らかになっていきます。
この後に続く重要なキャラクターたちも、何人も登場してきます。
シリーズのここまでの物語は、「フルート4・闇の声の戦い」以外は、子ども用に書いたオリジナル版のリメイクでしたが、ここから先は大人が読むことも想定して書いています。
いろんな意味でシリーズのターニングポイントだった物語です。
また、この物語では、もくじのタイトルを漢字2文字でつける、というルールにしました。そうしたら、後に「あのときのエピソードはどんなふうだったっけ?」と見返そうとしたときに、2文字タイトルでは何があったかわかりにくくて、「こんなつけ方するんじゃなかった!」と作者が後悔した……という、しょうもない裏話もあります。
わかりやすさは、作者自身にも大事なポイントでした(苦笑)
さて、フルートたちは皇太子とうまくやっていくことができるでしょうか。
金の石の勇者が持つ重い定めとは。
いつも絶体絶命に陥るフルートですが、今回の物語もはらはらドキドキです。(先にあとがきを読む人がいるかもしれないので、詳しい内容を書けなくてすみません)
手に汗握りながら楽しんでいただけたなら嬉しいです。
この作品の後には外伝が4作品ほどあります。
こちらも合わせてお楽しみいただけたら幸いです。
2020年3月19日