ドングリ坊主   サジ
むかし、むかし有る所に、(そんなに、むかしじゃ有りません。) 大きな大きなドングリの木、焦げ茶の森の奥の奥に、有りました。 そこへ冬支度に忙しい、リスママ達が、ドングリの収穫に大忙しです。 そこへちいちゃ山から来たリすママが、ドングリを頬張りました。 運ぶクチの中、可愛い、可愛い3個のドングリ達です。 「ニマー。」と笑う顔3個 りすママが穴掘りに夢中その横で、ドングリの背比べ 「悪いけど兄さん。僕のほうが今に大きな木になるよ。」と踏ん反り返る、エル坊や 「悪いけど、兄さん、兄ちゃん、私は、沢山の実を実らせるよ。」とオシャマナ、愛です。 ドングリにいちゃんは、微笑む。 「シーシー。りす母さんに見付かるよ。」 「穴に埋めてくれれば、良いね。」 「食べられなければ、良いね。僕にも栗の様に毬が有ったら、食べられ無いのに」 「シーシー」 リスの母さんは、忙しそうだ。 3人の子りすのお母さんだもの 「可愛いね。」 「可愛いね。」 「私たちだって」 と可愛い、弟、妹に、笑みが毀れる兄ちゃんだ。 「兄ちゃんは僕達よりも大きな木に成るね。」 するとツンは 「僕はね、大きな鳥に掘り出して欲しいんだ。 木にぶら下がってた時、空のお月様を見て、近くに行きたいと思ったんだ。」 そんなお喋りを費やし、「さーいよいよ、番は来ました」 りすママが掘った穴に、3個とも埋められたのです。 「良かったね」 3個の兄弟は、満面の笑みです。 めでたし、めでたし
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